『もし現実世界でバイオハザードが起こったら 』非常事態時の人間心理って?

もし現実世界にゾンビが現れたらどうなるか?
もし世界中がバイオハザードの世界のように大パニックになったらどんな行動をすれば生き残れるのか?

そんな誰もが一度は妄想することを真剣に考察する「もし現実世界でバイオハザードが起こったら」

目の前でゾンビが発生し、しかも人を食べている。こんな有り得ない状況に置かれた場合、私達はそれをすんなり現実として受け入れ、ただちに避難など正しい行動を起こせるか?

ゾンビによる災害に直面した時、自分の行動でその後の生存率は大きく変わります。

私たちは生き残るために、どんな心構えをし、どんな行動を起こせばいいのか。
今回は「現実にバイオハザードが起きた時の人間心理」を考えていきたいと思います。

バイオハザード発生 その時、私達は

目の前でゾンビが人を食べている。まるで映画のような異常な光景‥‥。
こんなことが目の前で起こったら、あなたは次の瞬間どんな行動に移りますか?

実際にあなたの目の前にゾンビが現れたと想像してみてください。

あなたの目の前に「うめき声を上げている不気味な人」がいます。あなたの目には「具合が悪い人」に映るかもしれないし「薬物でおかしくなっている人」に映るかもしれません。

こんな不気味な人間がいたら、ほとんどの人が関わらないよう遠巻きに見ているだけだと思います。

ではその「不気味な人間」がいきなり近くの人間に噛みついたらどうでしょう?
それを目撃したあなたはとっさに逃げることが出来ますか?

「そんなもん逃げるに決まってんじゃん!」

って思いますよね?でもそれは想像の世界だからです。
実際の現実世界でそんな状況に遭遇したら、多くの人は目の前で起きていることを理解できず、その場で凍りついてしまうと思います。

このような想像外の不測の災害に見舞われたとき、人間の取る行動は次の三つのカテゴリーに分かれます。

■1 冷静かつ迅速に行動を起こせる人         10%
■2 ショック状態に陥り、その場で凍りついてしまう人 80%
■3 我を忘れてパニック状態に陥る人         10%

これをサバイバル10-80-10理論といい、イギリスの心理学者ジョン・リーチ博士によって提唱された理論です。リーチ博士によると

「突発的に災害や事故の直撃を受けた時、脱出や避難できるチャンスが十分にあるにもかかわらず、避難が遅れて犠牲になることが多々ある。その主な要因は、目の前で経験したことのない急激な展開の変化に脳がついていけず、混乱し、コントロールを失ってしまう。そのため思考は適応性を失って、停止。その結果、心・身体・行動が凍りついた状態になってしまう。」

これは通常の災害(地震や津波など)をシミュレーションした数値ですので、バイオハザードのようにゾンビが現れるといった、通常考えられないことが起きた時、冷静に行動できる人は10%より低くなると考えられます。

バイオハザード発生時は誰もゾンビの存在を知りません。しかし、目の前のそれを「危険ななにか」と認識し、速やかにその場を離れるのが正しい行動です。

人間心理 「正常性バイアスとは?」

人間には「正常性バイアス」という心理特性が備わっています。この「正常化バイアス」が緊急災害時の判断を鈍らせる原因となっています。

では「正常性バイアス」とはいったい何なのか?

バイアスとは「思い込み」や「先入観」と定義されます。
例えば、毎日のちょっとしたアクシデントにいちいち大騒ぎをしていたら、心が保てません。そのため心の均衡状態を守るため「このくらいの異変は大丈夫だ」とあたかも正常の範囲内であるかのように、危機を過小評価して判断してしまう。

これは「正常性バイアス」の働きによるものです。

普段の生活であれば「正常性バイアス」は欠かすことのできない心理状態ですが、これが働きすぎてしまうとゾンビが目の前にいるという危機的状況に陥っても「まだ大丈夫」や「スマホで写真を撮ろう」などと楽観的に考えてしまいます。

これは非常事態時には非常に危険な心理状態です。

「バイオハザードが発生した」という通常、あり得ない状況に置かれた場合、ほとんどの人はこの正常化バイアスに心を支配され、逃げ遅れてしまうことが考えられます。

「正常性バイアス」の対策として、まずは目の前の非常事態を現実として受け入れ、頭の中の緊急スイッチをONにすることが重要です。

人間心理 「多数派同調バイアスとは?」

「正常性バイアス」と同じく、非常事態に危険な心理として考えられるのに「多数派同調バイアス」というものがあります。これが緊急時に自分の判断を遅らせる原因といわれています。

「多数派同調バイアス」とは集団の中で多くの人が取っている行動が「正しい」と感じられるものです。

「ゾンビが目の前にいるけど、みんな平然としてるし、一人で逃げるのは間違っているんじゃないか?」とあたかも、その場で様子を見ることが正しいと思い込んでしまう心理状態になることです。

「みんないるし大丈夫だろ」と安易に考えてしまい、本当に正しい行動が出来ません。

これは協調性や、集団の輪を特に重視する日本では「多数派同調バイアス」による避難の遅れなどが目立つため、事故や災害時の問題として考えられています。

例えばゾンビが発生したときに多くの人がひとつの建物に逃げていったとしたら、それを見て「多数派同調バイアス」の心理が働き、何も考えずに自分もついていきたくなってしまうと思います。

でもそこで冷静に考え、もっと安全な避難場所を判断し、例え少数派でも自分が正しいと思った方へ避難することで安全を確保できる場合もあります。

非常事態時は、決して多数決で物事を判断してはいけません。

最後に

今回は非常時における人間の心理について考えてみました。

普段から私たちはもし災害が起きたら「こうしたらこっちに逃げよう。こうなったらあっちに逃げよう」などと避難について簡単にシミュレーションしていると思います。

でも想像と現実は全く違うもので、実際に被害が目の前で起きた時に、シミュレーション通りに行動するのはとても難しいことだと思います。

そのためこうした災害時における人間の心理を理解して、頭に意識付けしておくことで、非常事態時における自分の行動は全く変わってきます。

大切なことは目の前で起きているバイオハザードを現実のものとして受け入れ、被害を過小評価せずに、冷静に自分が正しいと思う行動をすることです。

お読みいただきありがとうございました!